英語研修の内容を実施時のポイントとともに解説
ビジネスのグローバル化に伴い、多くの企業で海外への販路拡大や多様な国籍の人材を採用するといった動きがあります。このような状況下において、企業の業績向上や社内コミュニケーションの円滑化を図るためには、社員に対して、英語の習得と異文化理解を促進することが不可欠になっています。
そこで本記事では、企業において実施される英語研修の内容を、実施する際のポイントとともに紹介します。
英語研修のプログラム内容
英語研修のプログラム内容としては、主に以下が挙げられます。
▼英語研修の主なプログラム内容
- 英語基礎力強化研修
- 英語ビジネススキル研修
- モチベーション研修
- 異文化理解研修
上記のように、英語研修プログラムでは、単に英語力を磨くプログラムを実施するわけではありません。
例えば、モチベーション研修では、社員に自身のモチベーションを維持する方法を学んでもらいます。また、他国の文化を学ぶ異文化研修は、直接英語を習得するための研修ではありませんが、グローバル人材として、グローバルな環境でビジネスを推進していくためには、欠かせないスキルになります。
このように、英語力を向上させるプログラムだけでなく、そのほかのプログラムも併用することが英語研修を成功させる鍵です。
それでは順に、各英語研修プログラムの詳細を確認していきます。
①英語基礎力強化研修
英語基礎力強化研修は、主に初級英語レベルの方々を対象とした英語研修の総称です。次項で紹介する英語ビジネススキル研修は、英語の4技能(読む、聞く、書く、話す)がある程度できる中級以上の方を対象としています。中級レベル程度まで英語力を引き上げるために、以下のようなプログラムが実施されます。
▼英語基礎力強化研修の種類
- eラーニング/アプリ学習
- TOEIC® L&Rテスト対策研修
- 日常会話、一般会話研修
- ビジネスコミュニケーション研修
このような研修を通し、英語における基礎的な力を身につけていきます。続いて、中級レベル以上に該当する英語ビジネススキル研修について紹介します。
②英語ビジネススキル研修
英語ビジネススキル研修は、ビジネスシーンで必要な英語のコミュニケーションスキルを向上させるためのプログラムです。研修会社によっても異なりますが、以下のようにシーンで分けて、その時々で求められる英語を学ぶケースが多く見受けられます。
▼英語ビジネススキル研修の想定シーン
- ミーティング
- プレゼンテーション
- 商談、交渉
- 電話対応
- メール対応
- 社内コミュニケーション、職場英語
こうした実践的なシーンを想定したプログラムを受けられるのが、英語ビジネススキル研修の強みです。社員にグローバルなビジネス環境で活きる英語を身につけてもらうためには、積極的に導入したい研修となります。ただし、英語レベルとしては中級以上を推奨とするため、初級者は事前に別の研修の受講や学習が必要になります。
③モチベーション研修
英語を学習する目的や、効果的な学習方法を社員に理解してもらい、学習意欲を高めるために実施するのが、モチベーション研修です。
同研修を実施することで、社員が“英語を使って仕事をしている将来の自分”を、具体的にイメージできるようになります。社員が自身のなかで英語を学ぶ目的が明確になるため、高いモチベーションを保って学習に取り組めるはずです。
④異文化理解研修
異文化理解研修では、自国とは異なる価値観や習慣を学び、それに対応するスキルを培います。
グローバルな環境下では、異文化への理解を深め、言語スキル以外のコミュニケーションスキルの強化が欠かせません。そうした異文化理解とコミュニケーションスタイルを学ぶのが、異文化理解研修です。社員が異文化理解研修を受けることで、国の垣根無く、円滑にコミュニケーションがとれるスキルを身につけられます。
異文化理解についてより詳しく知りたい方は、以下の記事で詳細を解説していますので、ぜひご覧ください。
英語研修プログラムを実施する際のポイント
ここからは、英語研修プログラムを実施する際のポイントを5つ紹介します。
①研修の目的・目標を明確にする
英語研修を実施する際には、まず、その目的と目標を明確にして社員に伝えることが肝心です。
研修の目的や目標を明確化すると、社員は自身の目指すべき姿を正しく理解できます。英語学習が自分自身の成長、さらには企業の発展につながることを伝えられれば、社員はモチベーションを維持して学習に取り組めるはずです。
また目標を定める際は、長期的なものだけでなく、短期的に実現可能な目標も提示するのが理想的です。長期的な「グローバルで活躍できる人材」という目標に向けて「次の試験で〇〇点を取る」といった目の前の小さな目標を段階的に示していくことで、長期的な取り組みが可能になります。
②社員の英語力に合う研修を実施する
社員の英語力に合わせた研修を行うことも、意識したいポイントの一つです。
英語力を無視した研修プログラムでは、十分な効果は得られません。社員の英語力よりもレベルが高すぎる研修では、自信の喪失や挫折につながりかねませんし、逆に低すぎてもモチベーションを下げてしまいます。
したがって、英語研修を実施する際は、事前に社員の英語力を正しく把握し、それぞれのレベルに適した研修を準備することが求められます。
③事前に研修計画をきちんと立てる
英語研修の実施にあたっては、研修の開始時期や期間設定などの、研修計画を事前に立てておくことも必要です。
英語研修の開催時期をきちんと吟味しておかないと、企業の繁忙期や外回りの多い時期と被るといった事態が起こりかねません。このような状況では、研修への参加率が下がり、ひいては設定した目的が達成できないことが予想されます。
ですから、研修を実施する際には、自社の繁閑期や業務内容を考慮したうえで、社員が確実に受講できるスケジュールを立てることが大切です。
④継続的に学習できる仕組みを整える
社員の英語力を向上させるためには、研修が終了したあとも、学習を継続する仕組みを整えるべきです。
英語研修を計画するときは、準備から研修までの流れについ注力してしまいがちです。しかし、一度だけの研修で知識を定着させるのは難しいため、研修後のフォローアップも忘れてはなりません。
フォローアップの方法としては、自主学習の支援や英語を使った社内イベントの開催が挙げられます。また、費用の一部を会社が負担する「自己啓発制度」なども活用できます。このように、継続的に学習できる環境を提供することが社員の英語力の向上につながります。
⑤定期的に研修プログラムの見直しを行う
英語研修を実施する際は、定期的にプログラムの見直しを行うのも大切です。
研修によって良い結果が出た場合は、次年度は、よりレベルの高い研修プログラムの導入を検討する必要がありますし、一方で、あまり成果が感じられない場合には、その原因を洗い出し、体制を立て直す必要があります。
研修プログラムの定期的な見直しを行うことは、結果の良し悪しにかかわらず、より効果的な英語研修の実施に役立ちます。
まとめ
この記事では、英語研修について以下を紹介しました。
- 英語研修のプログラム内容
- 英語研修プログラムを実施する際のポイント
英語研修には、英語基礎力強化研修や英語ビジネススキル研修、異文化理解研修など多岐に渡るプログラムが存在します。英語だけでなく、モチベーションの管理方法を学んだり、異文化理解を深めたりすることも、ビジネスで活用できる英語力を身につけるうえでは大切です。
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