異文化理解とは? 実践するメリットや成功に導くためのポイントも紹介
海外進出や、社内の外国人労働者の増加をきっかけに、異文化理解の研修を実施する企業も増えてきています。しかし、異文化理解を社内に浸透させることで、企業にどのような恩恵がもたらされるのか疑問に感じられている担当者さまもいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、異文化理解の利点や、成功させるためのポイントを紹介します。
異文化理解とは
異文化理解とは、文字通り、異なる文化や価値観を理解することです。グローバル化が進む昨今、異なる国・地域の文化や歴史、マナーを学ぶ必要性は、以前にも増して高まっています。ビジネスの世界でも国家の垣根は低くなっているため、一企業の社員とて例外ではありません。
異文化を理解することで、その国・地域の相手との円滑なコミュニケーションが実現します。反対に、理解が不十分であれば、些細なことで誤解を招き、大きなトラブルへと発展してしまうかもしれません。
このように、今や異文化理解は企業にとって必須といっても過言ではない要素です。なお、異文化理解によって、企業および社員にもたらされる利点については、後述します。
異文化を理解することの利点
続いて、企業やその社員が、異文化理解を進めることで享受できる恩恵を3つ紹介します。
①ビジネスチャンスにつながる
異文化への理解は、異なる文化圏でのニーズの探索やビジネスアイディアの立案に際して大いに役立ちます。対象の国や地域で、どのような商品・サービスが求められているのかは、文化やそこで暮らす人々を知らずして、見つけることはできません。
また、異文化理解を通して、異なるバックグラウンドをもつメンバーで構成される社内組織を、まとめやすくなるという利点もあります。組織がまとまり意見交換が活発になれば、多様性に富んだ、新たなビジネスチャンスが創出される可能性も高まります。
②視野が広がる
異なる文化を知ることで、物事を見る際の視野が広がります。
例えば、外国人労働者のバックグラウンドを知れば、本人がその言動に至った理由を理解できるようになり、トラブルを避けることも可能です。ほかにも、異文化理解を通じ、より大きな視点を持つことで、自国の文化を客観的に捉えられるようになるという恩恵もあります。
③新たな言語・知識・価値観を学べる
異文化について学ぶ過程で、新しい知識やスキルも習得することができます。言語学習はその最たる例です。異文化を理解していく過程で、その文化圏の言葉に触れる機会も増え、無理なく習得していくことができます。
同様に、文化を深く学ぼうとするなかで、背景にある歴史や宗教などに触れることも多く、見聞を深め、新しい価値観を学ぶ良い機会となります。
「異文化コミュニケーション」の重要性や実施する際のポイントについては、以下の記事でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。
異文化理解を成功させるためのポイント
ここでは、異文化理解の試みを成功に導くためのポイントを、3つお伝えします。
①固定観念や偏見を排除する
異文化を理解しようと考えるのであれば、固定観念や偏見は捨て去るべきです。人種や宗教に対する偏見は無論、母国である日本における価値観やマナーにとらわれていると、異文化への正しい理解が阻まれてしまいます。
ビジネスにおける挨拶やジェスチャー、また食事のマナーを例に挙げても、日本とは異なる常識を有する文化は数え切れません。
日本とは価値観が異なるという大前提のうえ、固定観念や偏見を排除しつつ、異文化理解を進めていくことが肝要です。
②文化・言語について調べておく
異文化理解への取り組みに先立って、事前学習しておくことも大切です。
学ぼうとする国や地域の文化や歴史、話されている言語についてあらかじめ予習しておけば、より積極的に異文化理解に臨めます。異文化理解に取り組む過程で、該当の国や地域の方と実際に交流する機会も少なくありません。そのような際に、相手の文化を事前に勉強しておけば、より深い理解の助けとなるだけでなく、相手からも「自国の文化に興味をもってくれている」と好印象に映ります。
このようにして良好な関係性が構築できれば、より一層異文化理解が進みます。
③相手を理解しようという姿勢をもつ
相手自身に興味をもち、傾聴する姿勢で向き合うことも忘れてはなりません。
一人の人間として「相手を知りたい」と思うことで、距離が縮まり、円滑なコミュニケーションが実現します。流暢に相手の国の言語が話せることよりも、相手へ関心を示すことのほうが、はるかに重要です。異文化理解といえど、一対一のコミュニケーションが基本であることに変わりはありません。
また、理解や敬意を示すうえでは、先述したように相手の国の文化や歴史、言語ついて調べておくことも有効です。
異文化理解に際して避けるべきこと
異文化理解に際しては、いくつか注意すべき点があります。
これまでにも述べてきたように、正しい理解を進めるうえで、日本の文化や価値観の押しつけは避けなくてはなりません。例えば、外国人労働者に社内研修を行う際、日本という国の紹介の域を超えて、文化や価値観に従うよう誘導してしまわないよう注意が必要です。
また、宗教や政治など、センシティブなトピックへの深入りも避けるのが賢明です。より深く理解するために、良かれと思って出した話題がタブーに触れて、裏目に出てしまうおそれもあります。宗教や政治といった話題は、いらぬ軋轢を生むケースも多いため、特段の理由がない限りは、言及を避けるべきです。
そのうえで、「この国の人はこういった考え方をする」「この文化圏の人間へはこのように接するべきだ」というような凝り固まった考えをもつことも禁物です。異文化に対する知識が増えるのは良いことですが、それがかえってバイアスとなり、色眼鏡で相手を見る原因となってしまうことも少なくありません。
異文化理解といえど、もっとも大切なのは個人と個人のコミュニケーションであるという点を念頭に置きたいところです。
価値観の押しつけやセンシティブなトピックへの言及を避けたうえで、個人と個人の触れ合いを大切にしつつ、円滑な異文化交流を実現してください。
まとめ
この記事では、異文化理解について以下の内容を解説しました。
- 異文化理解とは
- 異文化を理解することの利点
- 異文化理解を成功させるためのポイント
- 異文化理解に際して避けるべきこと
グローバル化が進むなか、企業は研修に“異文化理解”を取り入れることで、ビジネスチャンスの創出や、従業員間のトラブル抑止を図ることができます。また、異文化理解に臨む際は、偏見や固定観念を排除したうえで、相手へ興味や関心をもつことが大切です。
株式会社EdulinX(エデュリンクス)では、異文化コミュニケーション研修をはじめ、各種異文化理解研修を実施しております。異文化理解への取り組みを進めたいとお考えであれば、ぜひ以下からお気軽にお問い合わせください。
また、各研修のラインナップや詳細は、下記ページよりご確認いただけます。