新入社員向けに英語研修を実施する重要性やメリットを解説
グローバル化が急速に進行している現在、海外への販路拡大や外国人材の積極的な採用といった動きも加速化しています。こうしたなかで、企業が活躍の場を広げていくために、内定者や新入社員に対して、英語研修をはじめとするグローバル人材育成を行っている企業は多くあります。
本記事では、企業が英語研修を新入社員向けに行うのが望ましい理由や、メリットを紹介します。
新入社員向けに英語研修を行う重要性
新入社員に英語研修を実施する一番の理由は、グローバル企業に入社したという意識をもたせ、早期から積極的に英語学習に取り組むマインドを醸成してもらうことにあります。
どのような社員であっても、ビジネスで使える英語力を身につけるまでには、ある程度の期間を要するものです。そのため、英語が必要になったタイミングで研修を受講させるようでは間に合いません。また、入社して数年が経ち、責任の重い仕事を抱えるようになったときでは、勉強に割ける時間が少なく、英語の習得は困難を極めます。
こうした状況に陥らないためにも、新入社員のうちに英語研修を実施する必要があります。研修を通して、英語の必要性を理解してもらいつつ、学習のベースを作り上げることで、グローバルな職場環境で活躍できる人材を育成することができます。
新入社員向けに英語研修を実施するメリット
ここでは、新入社員の時期に英語研修を行うことで得られる3つのメリットを解説します。
①早くからグローバル環境で必要なマインドを身につけてもらえる
新入社員に英語研修を実施するメリットとして、グローバル環境で働く際に必要なマインドを身につけてもらえることが挙げられます。
グローバル環境で活躍してもらうためには、単に英語の語学スキルがあればよいというわけではありません。文部科学省では、グローバル人材に求められる要素として、以下を掲げています。
○ 「グローバル人材」の概念を整理すると、概ね、以下のような要素。
要素Ⅰ: 語学力・コミュニケーション能力
要素Ⅱ: 主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感
要素Ⅲ: 異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー
このように、主体性や積極性、異文化理解といった要素もグローバル人材を構成するにあたって大切になります。英語研修と合わせてグローバルマインドセット研修を同時に実施することで、語学力とともにこれらのマインドを身につけることが可能です。
新入社員のうちからこうしたマインドを醸成することで、英語学習や異文化理解などに自発的に取り組む姿勢が育まれ、継続した学習を自ら進める社員を増やすことが可能です。
②成長スピードが速く、効率的に英語学習が進められる
新入社員のうちに英語研修を行うことは、このタイミングならではのメリットも生み出します。
入社直後の社員はやる気に満ちており、「知識やスキルを身につけたい」という向上心が強いものです。また学生時代に学んだ英語も、まだあまり忘れていないので、学びなおしの時間も少なく済むはずです。こうした状況のおかげで、学んだ物事を吸収するスピードが速く、効率的に英語学習を進めてもらえます。さらには同期と助け合い、ときには競い合いながら、高いモチベーションを維持して学習に励んでくれることも期待できます。
③英語学習をスムーズに習慣化してもらえる
英語学習に取り組む基盤を無理なく整えられるのも、新人のうちに研修を行うメリットです。
ビジネスレベルの英語の習得には、継続的な学習が不可欠です。しかし、前項でも説明したように、勤続年数が長くなり責任ある立場になってからでは、ほかの業務に手を取られ、英語を継続的に勉強することはなかなか容易ではありません。
その点を解決する糸口が、新入社員のうちに英語研修を実施することにあります。通常の業務量が少なく比較的余裕があるため、学習を習慣化してもらうにはうってつけのタイミングです。新入社員研修の期間のみで、英語を習得することは不可能ですが、この期間に、英語学習の必要性を理解し、学習が習慣化すれば、能動的に自己研鑽を重ねてくれるようになるでしょう。
新入社員向けに英語研修を行う際に意識したいポイント
最後に新入社員向けに英語研修を行う際に、意識したい3つのポイントを解説します。
①英語の必要性を理解してもらう
英語研修を成功に導くためには、新入社員に英語の必要性を理解してもらうことが肝心です。
企業側で研修プログラムを用意した場合、社員には英語学習に対して相当な時間と労力をかけてもらうことになります。そうしたなかで、社員が英語を学ぶ理由を十分に理解できていないと、高いモチベーションで取り組んでもらうことは困難です。特に、入社して間もない社員は、英語がどのように生かせるのか想像しづらいため、この傾向が顕著にみられます。
そこで研修を担当する社員には、新入社員に対して英語を学ぶメリットやその後のキャリアを具体的に提示し、英語の必要性を教えることが求められます。
②レベル別のコースを複数作成する
英語研修では、新入社員一人ひとりが効率的に学べるよう、いくつかコースを用意しておきたいところです。
当然ですが新入社員の英語力には、ばらつきがあります。そうしたなかで、同じ内容の研修を実施してしまうと、ある社員にとっては難しすぎてついていけない、あるいは簡単すぎてモチベーションを維持できない、といった状況につながりかねません。
そのため、新入社員に向けた英語研修には、難易度別に複数のコースを作成しておくのが賢明です。社員に自身のレベルに合った英語研修を受けさせることで、より効率的に英語力を養ってもらえます。
③異文化理解研修も取り入れる
グローバルな環境下で活躍する人材になってもらうためには、単に語学スキルを身につければよいわけではないのは、先ほど説明した通りです。そのうえで、グローバル人材に必要な要素の一つとして、自国とは異なる価値観や習慣を理解し、尊重する“異文化理解”も挙げられます。
異文化理解を促進する研修を総称して“異文化理解研修”とよびますが、そのなかでも新入社員に対しておすすめなのが“グローバルマインドセット研修”です。グローバルマインドセット研修では、異文化理解の基礎や、グローバルで通用するコミュニケーションスタイル、英語力を身につける必要性などを学習します。グローバルな社会へと意識を広げ、学習意欲を高めていくわけです。
こうした効果が期待できることから最近では、グローバルマインドセット研修を新入社員への英語研修の初日に取り入れる企業も多く存在します。異文化理解は、グローバル環境で円滑なコミュニケーションをとるためには欠かせないため、ぜひ導入をご検討ください。
なお、異文化理解については、以下の記事で詳細を解説しています。
『異文化理解とは?実施するメリットや成功に導くためのポイントも紹介』
まとめ
この記事では、新入社員に向けた英会話研修について以下を解説しました。
- 新入社員向けに英語研修を行う重要性
- 新入社員向けに英語研修を実施するメリット
- 新入社員向けに英語研修を行う際に意識したいポイント
新入社員に英語研修を実施することには、早いうちからグローバル環境下で必要なマインドを身につけてもらえる、高い向上心によって効率的な学習が叶うといったメリットがあります。英語研修を行う際は、英語の必要性を理解してもらうとともに、異文化理解研修も取り入れながら効果的なものにしたいところです。
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