非言語コミュニケーションの概要や重要な理由、活用できる場面を解説
英語学習をしていると、”非言語コミュニケーション”という言葉を耳にすると思います。相槌や身振り手振りなど、普段、日本語を使う上では無意識に使用している”非言語コミュニケーション”ですが、外国人とコミュニケーションをする上でも重要なポイントになります。
そこで本記事では、非言語コミュニケーションの概要や具体例を明らかにし、さらにビジネスで生かせる場面についても解説いたします。
非言語コミュニケーションとは
非言語コミュニケーションとは、その名称が示す通り、言葉や文字を用いずに意思の疎通を図る手段のことです。
言葉を用いないコミュニケーション方法としては、例えば表情や声のトーン、身振り手振りなどが挙げられます。こうした身体的、あるいは視覚的なアプローチによって、言葉だけでは表せない情報や感情を伝えるのが、非言語コミュニケーションの目的です。
ビジネスシーンにおいても、非言語コミュニケーションは重要な役割を担っています。効果的に活用すれば、関係者各位から信頼を得ることが可能です。また異文化コミュニケーションにおいても、言語の壁を超えてやり取りする手段として効果を発揮します。
非言語コミュニケーションの具体例
非言語コミュニケーションは7種類に大別されます。それぞれの概要と、該当する具体例は以下の通りです。
▼非言語コミュニケーションの種類と具体例
種類 |
概要 |
具体例 |
身体動作 |
体を動かすことで感情や意思を示す |
頷いて同意を示す |
身体の特徴 |
外見的な特徴を調整して相手に与える印象を変える |
髪を整えて、自身が真面目であると相手に印象づける |
接触行動 |
自身や相手の体に触れてスキンシップを図る |
握手を交わす、抱擁する |
近言語 |
相槌や声の調子、話すスピードの調整などで気持ちを表す |
会話の最中に相槌を挟む |
プロクセミクス |
相手との距離のとり方で意思表示する |
距離が近い場合は親密な関係であることを示せる |
人工物の使用 |
服装やアクセサリー、化粧などを用いて意思表示する |
白いシャツにスーツを着て真面目な印象を与える |
環境 |
インテリアや照明、温度などの環境面を利用して相手の心理にはたらきかける |
照明を暖色系にして落ち着いた雰囲気を出す |
このように、体を動かす以外にも、多種多様な行動が非言語コミュニケーションに該当します。
ただし、文化圏によって意味合いが異なる行動も一部存在するため、やみくもに実践するのは逆効果です。それぞれの特徴を理解したうえで、シーンに応じて適切に使い分けることが大切です。
非言語コミュニケーションが重要な理由
なぜ今非言語コミュニケーションが重要視されているのでしょうか。考えられる理由としては、以下の3つが挙げられます。
①言葉では言い表せないことを表現できる
非言語コミュニケーションなら、言葉や文字だけでは言い表せない表現や、細かなニュアンスを伝えられるため、より効果的に意思の疎通を図れます。
こちらの意図を言葉のみで伝えたとしても、認識の齟齬なく把握してもらえるとは限りません。しかし、そこに非言語コミュニケーションが伴えば、ニュアンスを損なわずにこちらの想いを伝えられるはずです。
こうした利点は、例えばクライアントとの商談の際に生かせます。ジェスチャーを交えてこちらの自信や実績をアピールすることで、「ここなら任せられそうだ」と信頼を獲得できます。
②相手の心情を深く理解できる
こちらの気持ちを伝えるときだけではなく、相手の心情を理解する際に役立つのも、非言語コミュニケーションの強みです。言葉からでは感じ取れない心のうちも、表情や振る舞いから推し量れます。
例えば部下に指示を出した際にも、笑顔で返事がくるのか、それとも視線が定まっていないのかで自信の有無を判断できます。言葉だけを真に受けるのではなく、態度からも相手の心情を把握することが肝心です。
③距離感が縮まり信頼関係が築きやすくなる
相手の目を見て話す、しっかりと相槌を打つなどの非言語コミュニケーションを実施すれば、信頼関係を素早く構築できます。反対に、仮に口ではどれだけ優しいことを言っていても、それが態度に表れていなければ信頼関係を築くのは困難です。
言葉と振る舞い方の両方でポジティブな印象を与えることが、社内外問わず良好な関係を構築するうえで欠かせません。
非言語コミュニケーションの活用方法
最後に、非言語コミュニケーションの活用方法を、3つのビジネスシーンを例に解説します。
①商談
クライアントからの信頼獲得が必要不可欠な商談では、非言語コミュニケーションによるアプローチが非常に重要です。
身だしなみを整えて誠実さをアピールし、会話の際には明るい表情ではきはきと話すことを心がければ、信頼に値する人物であるとの評価を得られます。適切なタイミングで相槌を打つのも効果的です。これはアクティブリスニングと言って、積極的な姿勢で相手の意見を聞くことは、英語コミュニケーションにおいて重要な意味を持ちます。また先方の発言だけではなく、表情や所作なども注視すれば、真意や隠れたニーズを探ることもできるかもしれません。
②部下との1on1
部下の本音を知り、こちらの考えも理解してもらう必要がある1on1でも、非言語コミュニケーションが効果を発揮します。笑顔でゆっくりと話し、部下が安心できるような雰囲気を作ることが肝心です。
ただし、信頼を獲得しようとするあまりに、過度に距離を詰めようとしてはなりません。良好な関係を築けるどころか、ハラスメントとみなされてしまうおそれがあります。
③採用面接
非言語コミュニケーションは、人の真価を見定める必要がある採用面接でも活用できます。
面接の場では、応募者に本来の実力を発揮してもらわなくてはなりません。そのためにもまず面接官側が、目を見て話す、姿勢を正すといった態度をとって、相手の緊張を解く必要があります。
また、面接官は会社の顔ともいえるため、その場で良い印象を与えられれば自社のイメージアップにもつながります。
まとめ
この記事では、非言語コミュニケーションについて以下を解説しました。
- 非言語コミュニケーションとは
- 非言語コミュニケーションの具体例
- 非言語コミュニケーションが重要な理由
- 非言語コミュニケーションの活用方法
非言語コミュニケーションは、表情やジェスチャーなどを駆使して意思の疎通を図る行為です。効果的に活用すれば、社内のみならず外部の方とも良好な関係を築けます。
自社の業務を円滑に進めるためには、こうした非言語コミュニケーションを社員にも実践してもらう必要があります。しかし、独学で取り組ませるのは、非効率的と言わざるを得ません。ビジネスコミュニケーションに精通した、プロの講師の研修を受けるのが最適な選択肢だといえます。
株式会社EdulinX(エデュリンクス)では、プレゼンテーション研修やビジネスコミュニケーション研修などで、アクティブリスニング(Active Listening)をはじめ、ジェスチャー(gesture)、ポスチャー(posture)といった、非言語コミュニケーションについても紹介しています。また、異文化コミュニケーション研修をはじめとする異文化理解研修内でも、非言語コミュニケーションについて、 学ぶことが可能です。ご興味がございましたら、ぜひ一度お問い合わせください。
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