
社内で英語研修を実施する際に意識したいポイントを徹底解説
以前から、社員に対し英語研修を導入している企業は、大手企業を中心に多く存在していました。そのようななか、デジタル技術の進化やAIの台頭によって、英語学習の選択肢が増え、企業が選択できる英語研修は益々多様化しています。しかし、導入の際には「研修の成果は本当に出るのか」「業務で問題なく使えるレベルの英語力は身につけられるのか」という心配がつきものです。
そこで本記事では、社内で開催する英語研修を成功させるためのポイントを、英語研修会社の選び方とともに解説します。
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企業に英語研修の導入が求められる理由
企業において、社員向けの英語研修の実施が求められる背景には、ビジネスのグローバル化と求められる英語力の違いが挙げられます。
前段でもお伝えした通り、古くから大手企業を中心に英語研修を導入している企業は多くありました。しかし以前は、海外出張や海外赴任する方など、特定の社員のみに英語力が求められていましたが、オンライン会議の普及や外国籍社員の増加で、英語力が必要な社員は増加しています。
また、求められる英語のレベルも変わっています。バブル期の勢いのある日本企業では、多少つたない英語でも、相手が理解しようと努力してくれたため、そこまで高いレベルの英語が必要とされなかったケースもありました。一方現在では、世界中の競合と競うための、交渉力やディスカッション力といった、高い英語力が要求されるケースが増えています。
また日本では、人口減少による人材不足の拡大も、企業が英語力の強化を急ぐ要因です。IT業界を例に挙げると、経済産業省の研究で、2030年には約79万人もの人材が不足するという結果が出ています。このような人材不足を改善するためには、社員に英語力を身につけさせ、海外人材も雇用できる環境を構築するのが有効です。
以上のように、企業にはビジネスのグローバル化に向けて、社員の英語力向上が求められているがゆえに、英語研修の需要が高まっています。
参照元:経済産業省「IT分野について」
研修で社員の英語力が伸びない原因
いざ英語研修を実施しても、社員の英語力が伸びないケースが見受けられます。本項ではその主な原因を4つお伝えしますので、研修を成功に導くためにもそれぞれご確認ください。
①社員のモチベーションが低い
社員に英語を学ぶ意欲がなければ、英語研修は失敗に終わってしまいます。
英語への苦手意識がある場合や、メインの業務が忙しい場合は、社員が英語研修のモチベーションを保てなくなることがあります。そのような状態で研修を続けても、社員の英語力の向上は期待できません。
②社員が英語学習のコツをつかめていない
英語研修の効果が表れない原因として、社員が英語を効率よく学ぶ方法を理解していないことも挙げられます。
英語学習を始めるにあたって、初学者は特に単語の暗記や文法理解などの“インプット”に力を入れる傾向があります。しかし、グローバル社会で活躍できるレベルの英語力を身につけるには、実践的な英会話を通じた“アウトプット”が何よりも大切です。このことを社員が理解していなければ、英語力の向上に時間がかかります。
③研修の内容や難易度が社員に合っていない
研修の内容が社員に合っていないことも、英語力が向上しない原因の一つです。
英語を習得する方法は数多く存在し、人によって向き不向きがあります。そのため英語力を効率よく身につけさせるには、社員一人ひとりの性格やライフスタイルに合わせた研修を実施することが重要です。
また、英語力の向上を急いで難易度の高い研修を実施すると、英語力に自信がない社員は退屈に感じてしまいます。その結果、英語への苦手意識の増加やモチベーションの低下を招き、研修が失敗に終わる可能性が高まります。
④自己学習の時間が足りない
自己学習の時間を十分に確保できていないことも、社員の英語力が伸びない原因として考えられます。
十分な英語力を身につけるには、継続的な学習が不可欠です。そのため研修の限られた時間だけで、企業が求める英語力を身につけさせるのは現実的ではありません。企業がきちんとサポートして社員の自己学習を習慣化させなければ、研修の効果は薄れてしまいます。
社内で英語研修を行う際に押さえておきたいポイント
以下では、社内で実施する英語研修を成功させるために、押さえておきたいポイントを解説します。
①受講者を絞る
英語研修を成功させるには、受講者をある程度絞り込む必要があります。受講者を絞らずに実施すると、教育のリソースが不足して中途半端な研修になってしまうおそれがあるためです。研修の目的を明確にしたうえで、レイヤーや所属部署、現時点での英語力などを考慮して適切な社員を選定したいところです。
なお詳しくは後述しますが、選定した社員に企業側の期待や英語学習の明確な目的を伝えれば、モチベーションアップにつながります。
②英語を学習する目的を社員に理解してもらう
英語研修を実施する際には、社員に研修の目的を理解してもらうことが成功の秘訣です。社員が目的をきちんと理解することで、課題を解決しようと、高いモチベーションを維持しながら英語学習に取り組めるようになります。
英語は、一朝一夕には上達しません。継続的に学習することで、はじめて実用的な力が身につきます。したがって、研修目的を理解して、モチベーションを高く維持することが重要となるわけです。
社員がきちんと理解し、自分事として捉えられるよう、企業は目標を明確化する必要があります。
③研修内容をカスタマイズする
英語研修を成功へと導くポイントの一つとして、研修内容をカスタマイズすることも挙げられます。英語研修は、導入する目的や社員の業務内容、 英語レベルに合わせてカスタマイズ可能です。
導入の目的や業務内容によっては、網羅的な学習が不要な場合もあります。その場合には、研修範囲を絞ることで効率よく学習が進められるはずです。また、社員一人ひとりの英語力に沿ってカスタマイズすれば、研修難易度との不一致による自信の喪失や学習意欲の低下を防げます。
このように、英語研修をより効果的にするためには、研修内容のカスタマイズが大切です。
また、研修目的や要望を聞いたうえで、適切な助言や最適な提案をしてくれる研修会社を選ぶことが大切です。
④研修を実施する方法を工夫する
自社の目的に合う方法で研修を実施することも、事前に押さえておきたいポイントとして挙げられます。
英語研修を実施する方法は多岐にわたり、それぞれに特徴があります。例えばディスカッション形式なら対面でのコミュニケーション能力を身につけられる、またeラーニングなら繰り返し受講できる、といった具合です。
このように、各方法の特徴を理解して適切なものを選択することで、研修の効果をより高められます。
⑤自己学習をサポートする
自主学習のサポートも、英語研修を実施する際には徹底したいポイントの一つです。
企業が用意した英語研修の受講のみで、実践的な英語を習得するのは困難です。研修のあとには、社員が自主学習に充てられる時間をとることも欠かせません。しかしながら、なかには「自主学習では集中できない」「学習効率が下がってしまう」という社員もいます。
このような社員でも自主学習に取り組めるよう、定期的なコーチングや目標設定の提案、時には社割で利用できる英語学習サービスを用意するといったサポートが企業には求められます。
代表的な英語研修の例
ここでは、企業で導入される3つの代表的な英語研修をご紹介します。自社で行う英語研修を選定する際にお役立てください。
①英語基礎力強化研修
英語基礎力強化研修は、初学者を対象とした英語研修の総称です。主に講師やほかの受講者と会話を重ねる“実践形式”で行われ、日常会話レベルの英語力や、初歩的なコミュニケーション能力の習得を目的としています。
この研修では、eラーニングやグループワークなどを活用しつつ、英語への苦手意識を払拭することが成功の鍵を握ります。
②英語ビジネススキル研修
前述の英語基礎力強化研修が初学者向きなのに対して、英語ビジネススキル研修は中級者を対象としています。研修の種類も豊富で、ミーティングやプレゼンテーション、商談といった、さまざまな場面で活用できる実践的な英語力を身につけられます。
英語ビジネススキル研修は、実際のビジネスシーンを想定したシミュレーションや、ロールプレイングを中心に進めていくのが一般的です。社員に求めるスキルに合わせて適切な研修を選べば、グローバル社会での活躍に必要な英語力を効率よく身につけさせることができます。
③異文化理解研修
異文化理解研修とは、異なる文化や価値観を理解し、それに対応するスキルを身につける研修のことです。この研修ではディスカッションが活発に行われるため、社員は自ら考えて学ぶ力を養えます。
また異文化理解研修を受講すれば、異国の地で育った従業員ともコミュニケーションを円滑に図れるようになります。文化や価値観の違いによって起こるトラブルを未然に防げることから、外国人労働者の採用や事業の海外進出も計画しやすくなるはずです。
自社に合った英語研修会社を選定するポイント
ここからは、自社に合った英語研修会社を選ぶためのポイントを解説していきます。
①自社の目的に合った研修プログラムを提案してくれるか
英語研修会社を選ぶうえでまず大事なのは、自社の目的に合った研修プログラムを提供してくれるかどうかです。
ほとんどの英語研修会社では、問い合わせの際に、英語研修を検討している経緯や受講者のレベルなどのヒアリングを実施しています。その内容をもとに、自社に合いそうな研修プログラムを提案してくれます。
自社に合う英語研修会社を選ぶには、提案してもらった研修プログラムの内容が最適かどうかの確認が欠かせません。単純に目的や内容が合致しているだけでなく、達成可能なゴール設定なのか、無理のない研修内容なのか、専門的な立場から、適切な助言やコンサルティングをしてくれるかを確認してみてください。すり合わせには手間がかかりますが、その分、目的に合致した研修を提供してくれます。
②導入実績が豊富か
導入実績が豊富かどうかも、英語研修会社を選択する際に確認しておきたいポイントの一つです。
英語研修会社のホームページには、導入実績が掲載されているのが一般的です。同業者や同様の課題を抱えた企業への導入事例があれば、自社でも目的を達成できる可能性が高いといえます。また、大手企業や官公庁への導入実績は、選定するうえでの安心材料となります。
ホームページに参考になる事例が掲載されていない場合は、類似の事例がないかを問い合わせてみるとよいかもしれません。
③指導経験の豊富な講師をアサインしてくれるか
英語研修会社の選定にあたっては、アサインされる講師の質にもこだわりたいところです。
研修を通して目的を達成するためには、講師の実力も重要な要素の一つです。豊富な経験と実績のある講師であれば、授業の質が高いのはもちろん、自社の目的や課題に向けて柔軟に対応してくれます。
また、実力のある講師が複数人在籍する英語研修会社なら、そのなかから自社に最適な講師をアサインしてくれることが期待できます。
④デモレッスン・トライアルレッスンを実施しているか
デモレッスンやトライアルレッスンを実施している場合には、実際に参加して、英語研修会社を選ぶのも大切です。
英語研修会社のなかには、eラーニングや講師レッスンの事前体験を実施しているところもあります。実際にこれらを体験することで、その研修会社の強みや特徴を把握できます。くわえて、その際に生じた要望や研修の目的を講師や担当者に直接伝えられるため、より自社に合った研修へとカスタマイズすることも可能です。
まとめ
この記事では、企業の英語研修について以下を解説しました。
- 企業に英語研修の導入が求められる理由
研修で社員の英語力が伸びない原因
社内で英語研修を行う際に押さえておきたいポイント
代表的な英語研修の例
自社に合った英語研修会社を選定するポイント
社内で英語研修を実施するうえでは、目標の明確化や研修内容のカスタマイズが成功の秘訣です。英語基礎力強化研修や英語ビジネススキル研修など多様な研修のなかから、自社の目的を果たすのに最適なものを選定したいところです。また、英語研修会社の選定に際しては、“自社に合ったプログラムを提案してくれるか”“導入実績が豊富か”といった観点から吟味することが求められます。
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